登別の春 — 桜と海と温泉のまち
温泉と地獄谷で知られる登別だが、街を出ると太平洋の海岸線と春の桜が広がる。
北海道南西部の登別市は、湯けむり立ち上る地獄谷と、北海道屈指の温泉街で広く知られています。観光客のほとんどが温泉とその周辺だけを訪ねて帰りますが、市街を少し離れると、太平洋の海岸線と春の落ち着いた桜の風景が広がっています。
桜の時期は本州より遅く、5月のゴールデンウィーク前後がピーク。北海道の桜は南国の人がイメージする「ピンク色のソメイヨシノ」とは少し違い、エゾヤマザクラの濃いピンクが多く、咲き方も控えめでこじんまり。空気がまだ冷たいなか、ぱらぱらと花びらが落ちる光景は、にぎやかな本州の花見とは印象が大きく違います。
海岸沿いを車で走ると、青く澄んだ太平洋とその向こうに浮かぶ室蘭の白鳥大橋が見えてきます。岬の高台から見下ろす海岸線は、北海道らしい開放感そのもの。漁港と街並みが一直線に続き、その先の岬まで視線が届きます。海風はまだ冷たいですが、春の日差しは穏やかで、立ち止まってのんびりするにはちょうどよい季節です。
登別温泉そのものも、春は人が落ち着く季節で狙い目。露天風呂から眺める雪解け後の山の青々とした緑は、冬や夏とは違う柔らかさがあります。地獄谷へ続く遊歩道や大湯沼周辺の散策も、夏の混雑前の今が最も気持ちよく歩けます。
桜・海・温泉という3要素を1日で巡れるのが、春の登別の魅力。あえて冬や紅葉ではなく、「観光のオフピーク」を狙うことで、北海道の旅が一段と落ち着いたものになります。
【アクセス】札幌から特急で約1時間20分、新千歳空港からバスで約70分。市内はレンタカーが便利。 【ベストシーズン】5月上旬の桜、6〜9月の海岸ドライブ、10月下旬の紅葉、冬の温泉。一年を通じて表情豊か。 【近くで】登別温泉郷、地獄谷、大湯沼、室蘭の白鳥大橋、登別マリンパークニクス(水族館)。


